英語を勉強していると、必ずつまずくのが「関係代名詞」。特に who・whom・whose の違いは、中学生・高校生だけでなく、社会人の学び直しでも混乱しやすいポイントです。
本記事では、それぞれの使い分けを例文つきでわかりやすく整理しました。さらに、2つの文を1つにまとめる手順をステップ解説するので、中学生でも理解できます。関係代名詞の基礎をしっかり固め、英文読解や試験対策に役立てましょう。
関係代名詞とは?
文をつなげる接着剤
英語の文章は、ふつう「主語+動詞」で短い文として表すことができます。しかし、言いたいことが増えると文が細切れになってしまい、読みづらくなります。
そこで役立つのが 関係代名詞 です。
関係代名詞を使うと、2つの文を1つにまとめて「情報をつけ足す」ことができます。

例:
- I know the boy.
- He plays soccer.
(私はその少年を知っています。彼はサッカーをします。)
この2文を関係代名詞でまとめると、
I know the boy who plays soccer.
(私はサッカーをする少年を知っています。)
関係代名詞は、まさに 文と文をつなげる接着剤 のような役割を持っています。
先行詞って何?(関係代名詞が説明する名詞のこと)
関係代名詞が説明する対象となる名詞を 先行詞(せんこうし) といいます。
上の例文では、「関係代名詞 who ~soccer」が説明しているのは「the boy」。これが先行詞です。
つまり、関係代名詞は「先行詞に情報を追加する」働きをします。
また、先行詞を説明する「関係代名詞を含んだ部分」を関係詞節といいます。上の例文では、「関係代名詞 who ~soccer」が関係詞節です。
図にすると:
- 先行詞(名詞)+ 関係代名詞 + 説明文
- the boy + who + plays soccer
先行詞を理解しておくと、関係代名詞の文を読んだときに「何を説明しているのか」がすぐにわかるようになります。
who|主格のとき
主語を説明するときに使う
関係代名詞 who は、「人」を説明するときによく使います。
特に、先行詞が、関係詞節で主語の役割をしているとき に登場します。
例文

まずは2つの文を見てみましょう。
- I saw a girl.(私は少女を見ました。)
- She was playing basketball.(彼女はバスケットボールをしていました。)
この2文には、同じ人物「a girl / she」が登場しています。
そこで、「she」を消して who を使うことで、1文にまとめられます。
👉 I saw a girl who was playing basketball.
(私はバスケットボールをしていた少女を見ました。)
ここでの who は「a girl」を説明していて、関係詞節で主語の役割を果たしています。
💡 ポイント
- who は「人」が先行詞のときによく使う
- 先行詞が、who 以下の部分(関係詞節)で主語になるとき=主格
- 文をつなぐときは、繰り返し登場する主語を消して who に置きかえる
whom|目的格のとき
目的語を説明するときに使う
関係代名詞 whom も、「人」を説明するときに使います。
ただし 先行詞が関係詞節で目的語になっている場合 に登場します。
つまり、
- who → 主語を説明するとき(主格)
- whom → 目的語を説明するとき(目的格)
という関係になっています。
whomの代わりにwhoを使うことができます。
例文
まずは2つの文を見てみます。
- The girl is kind.(その少女は親切です。)
- I met her yesterday.(私は昨日、彼女に会いました。)
2文には「the girl / her」という同じ人物が出てきています。
この「her」が動詞 met の目的語になっているので、whom を使ってつなげます。
👉 The girl whom I met yesterday is kind.
(昨日私が会った少女は親切です。)
このとき「her」を消して whom に置きかえるのがポイントです。
さらに、次のように who を使うこともできます。
👉 The girl who I met yesterday is kind.
💡 ポイント整理
- whom は「人」が先行詞で目的語のときに使う
- who で代用できる
- 文をつなぐときは、繰り返し出てくる 目的語(him, her, them など)を消して whom / who にする
whose|所有格のとき
「〜の」という意味を表す
関係代名詞 whose は、「〜の〜」という所有関係を表すときに使います。
先行詞と後ろの名詞をつなげて、「その人の〜」という情報を付け加えるイメージです。
例えば、
- 「その男性の息子」
- 「その作家の本」
のように、誰かや何かが持っているものを説明するときに便利です。
例文

まずは2つの文を見てみましょう。
- I know the man.(私はその男性を知っています。)
- His son is a doctor.(彼の息子は医者です。)
この「his son」の「his」が the man を指しています。
つまり「その男性の息子」という関係を表したいわけです。
そこで、2文をまとめると:
👉 I know the man whose son is a doctor.
(私は息子が医者であるその男性を知っています。)
このとき his → whose に変えるのがポイントです。
💡 ポイント整理
- whose=「〜の」 を表す関係代名詞
- 所有格なので、後ろには必ず 名詞 が続く(例:whose book, whose house)
- 人だけでなく物にも使える
- 例:a town whose history is long(歴史の長い町)
who・whom・whose の使い分け早見表
関係代名詞は 「格」 によって使い分けます。下の表を見れば一目で理解できます。
種類 | 格 | 使い方 | 例文 |
---|---|---|---|
who | 主格 | 主語になる | The man who is running is my teacher. (走っているその男性は私の先生です。) |
whom | 目的格 | 目的語になる | The girl whom I know is kind. (私が知っている少女は親切です。) |
whose | 所有格 | 「〜の」を表す | The boy whose bike is new is my friend. (自転車が新しい少年は私の友達です。) |
まとめ|関係代名詞 who / whom / whose のポイント
- who は関係詞節で主語になるときに使う。
- whom は関係詞節で目的語になるときに使う。ただし、日常英語では who で代用可。
- whose は「人の〜」「物の〜」を表す所有格。必ず後ろに 名詞 が続く。
今回解説したwho / whom / whose以外にも、関係代名詞には which / that、さらに 関係副詞(when, where, why など) もあります。
👉 本記事では扱わなかった which・that・関係副詞 については、別記事で詳しく解説しています(→リンク)。