『こどもロジカル思考』は、ロジカル(論理的)な話し方をすべき理由とコツを、小学生でもわかるくらいやさしく教えてくれます。
MECEやWHYツリーなどのフレームワークについても要点をおさえて解説しています。ロジカルシンキングの本を読んだけれど、詳しすぎて何から実践すればわからないという大人にもおすすめの本です。
ロジカルに話すことで意見が通りやすくなる
ロジカル(論理的)に話すとは、根拠・理由をもとにして意見を言うことです。意見(主張)だけ言われるよりも、理由があるほうが納得するはずです。
また、理由を述べるにしても支離滅裂では意味がありません。かえって余計に話を聞いてもらえなくなります。本書に次のような例がありました。
「あなたは目が悪いから前の席に座りなさい」と言われれば誰でも納得します。しかし、「あなたは目が悪いから校庭を10周走りなさい」と言われて納得できる人はいないでしょう。
お互いに「自分の意見」を言い合うだけではコミュニケーションは成立しません。相手を説得するためには理由を話す必要があります。
ロジカルに話すコツ
客観的に物事を見る
「客観的に見る」とは、事実・数字をもとにして物事をみることです。本書には次のような例がありました。
ある野球選手のすごさを説明するとき、「とても速い球を投げる、たくさんホームランを打つ」と言うのではなく「時速160㎞の球を投げる、MLBでホームランの数が1番多い、年俸○○円」というほうがすごさが伝わります。
また、あるアイドルがかっこいいかどうか判断する場合は、個人的に興味がないからといって「かっこわるい」と判断するのではなく「コンサートチケットの売り上げやヒットチャートランキングなど」を見て人気がある(かっこいいと思われる)と判断します。
三角ロジック
三角ロジックで意見を組み立てます。
本書のは次のような例がありました。意見「この店のラーメンはおいしいはず」、データ「行列ができている」、論拠「世の中には、並んででもおいしいものを食べたい人もいるから」というようなものです。理由と事実を混同してしまいそうですが、これらを明確に区別できるようになれば、より説得力のある意見が言えそうです。
フレームワークで考えを整理する
ロジカルな意見をつくる手助けのためにフレームワーク(思考の枠組み)も紹介されています。他のロジカルシンキングの本を読んで知ってはいるけれど実践できていないという人もいるでしょう。
本書は小学生向けであるため、大人向けのロジカルシンキングの本にくらべると詳細な例はありませんが、要点がわかりやすいです。まずはざっくりとした使い方でいいのでフレームワークを日ごろから使うにはちょうどいい情報量です。
個人的には、フレームワークの使い方に慣れてきて、もっと精度を上げたいときに別のロジカルシンキングの本で勉強しようと思っています。