高校数学をもう一度学び直したいと考えている人へ向けて、本記事ではおすすめの参考書や問題集、効果的な勉強法を紹介します。
大学受験を目指していない人や、資格試験を受ける過程で高校数学の基礎力が必要だと感じた人に向けて、独学で無理なく進められる学習方法を提案します。
学び直しのための参考書と問題集
高校数学の学び直しを考える際、初心者向けの解説が詳しい参考書は数多くありますが、個人的におすすめなのは『初めから始める数学』シリーズです。
この参考書は、特に解説がわかりやすく、数学に苦手意識がある人でも安心して進められる構成になっています。
数学I・Aは中学数学の延長としてつまずくことが少ない一方、数学Bや数学III・Cに進むと「数学的帰納法」や「極限」など、難解なテーマに出会うことがあります。
こうした分野では、解説を聞いても理解が難しいことが多いですが、『初めから始める数学』では「とりあえずこういうもんだと割り切ればいい」と、初学者がつまずきやすいポイントでのアドバイスが秀逸です。
この言葉があることで、初学者は「よく理解できていないけれど、このまま進めて大丈夫かな?」という不安を解消し、安心して学習を進められます。学び直しを考えている人にとって、このシリーズは心強い味方となるでしょう。
【参考書】初めから始める数学
【問題集】初めから解ける数学
高校数学の教科書内容を理解するだけなら、『初めから始める数学』を読むだけでいいと思います。しかし、学び直しをはじめると、「自力で問題を解いてみたい」と思うかもしれません。
そんなときは『初めから解ける数学』がおすすめです。『初めから始める数学』レベルの問題が、140題載っています。レイアウトも見やすく、ページ上部に問題、その下に解説という構成です。
学習期間を設定する
高校数学の学び直しにおいて、期限を設定することは非常に効果的です。
特に、学び直しを始めたばかりの人にとっては、計画なしに進めると、だらだらと勉強が進まず、最終的には挫折してしまうことが多くあります。
期限を設定することで、自分自身に「ここまでにこれを終わらせる」という明確な目標が生まれ、それに向かって効率的に学習を進めることができます
教科書レベルを理解するための目安3~6カ月
まず、教科書レベルをざっくり理解することが目標であれば、3~6カ月を目安に設定するのがおすすめです。この期間で、基本的な概念や公式を一通り学び直し、問題に触れることで、高校数学の全体像を掴むことが可能です。
一方で、教科書レベルの問題を6~8割自力で解けるようになることが目標であれば、半年から1年程度の学習期間が必要です。理解だけでなく、実際に問題を解いてみることで、知識を定着させ、実践的な力を身に付ける必要があるからです。これには時間がかかるため、現実的な期限を設けることが大切です。
無理な目標設定は禁物
例えば、「高校3年分の教科書レベルを3カ月以内にマスターする」といった無理な目標設定は避けるべきです。
たしかに、大学受験で集中して勉強した経験があり、そのブランクが3年以内であれば可能かもしれません。しかし、長期間数学に触れていなかった場合や、学習経験が少ない場合には、このような短期間での学び直しは現実的ではありません。自分のペースに合った、達成可能な目標を立てることが、成功への鍵です。
期限を無理なく設定することで、だらけずに計画的に学習を進めることができます。また、自分の状況に合わせた現実的な目標を立て、無理のない範囲で学び直しを進めることが重要です。しっかりとした目標と期限を設定し、一歩ずつ進めていくことで、高校数学の理解が着実に深まります。
理解できないところはひとまず放置
高校数学を学び直していると、どうしてもわからないところにぶつかることがあります。このとき、立ち止まって徹底的に理解しようとするのは、一見良いことのように思えますが、実は学習全体にとっては逆効果になることが多いです。
なぜなら、数学の分野ごとに独立性があり、ある単元の理解不足が必ずしも次の分野で支障をきたすとは限らないからです。たとえば、三角比が難しく感じたとしても、その後の確率の学習には大きな影響はないでしょう。
もちろん、一部の単元では理解不足が後の学習に影響を与えることもあります。しかし、それを気にしすぎて学習を止めてしまうと、進捗が遅れ、全体の理解が阻害されるリスクが高まります。
むしろ、学習をどんどん進めていくことで、新しい視点や知識が増え、あとから「あの時わからなかったこと」が自然に理解できる瞬間が訪れることも多いです。
学び直しにおいては、完全な理解を目指して立ち止まるよりも、ある程度の理解で次に進む勇気を持つことが、結果的に効率的な学習を実現します。
動画解説サイトやアプリを使った学習の補助
自分1人で参考書・問題集を読んだり解いたりしてみたが「ちょっとキツイな」と感じた人は、動画解説サイトを見るといいでしょう。
YouTubeでわからない単元、たとえば「数学的帰納法」、「条件付確率」などと検索するといくつも解説動画が出てくるはずです。文字を読むだけでは理解できなくても、人が解説することで理解できたりします。
歴史や政治経済の本を読んでも眠くなるけれど、テレビ番組にすると内容が理解できるのと同じです。動画を見ることで関心が出てきたら、もう一度参考書を読んだり、問題集を解いてみると理解が深まります。
また、体系的に一からすべて動画で学び直したい場合は、スタディサプリなどを利用してもいいでしょう。