読んだことがある2冊
まんがで読破『死に至る病』
人づきあいが苦手な高校生が主人公。フリーランスライターである叔母は、キルケゴールについての記事を執筆中。主人公は、彼女からキルケゴールの『死に至る病』の話を聞くことをきっかけにして、鬱屈した日々を抜け出していく内容。
『14歳からの哲学入門』
著者は『史上最強の哲学入門』の飲茶さん。キルケゴールをメインに取り扱っているわけではないが、『死に至る病』の内容をわかりやすく解説している。キルケゴールは頭脳明晰だが、世渡りが下手だったことがわかる。しかし、そんな人間だからこそ前時代の哲学を否定して新しい哲学を作れることを教えてくれる。
キルケゴールの生い立ち
- 1813年デンマークで裕福な商人の家に生まれる
- 7人兄弟の末っ子だったが特別優秀だったので父親から英才教育を受ける
- 生前は表立って著作を評価されなかったが、実は若者に多大な影響を与えていた
変な父親
キルケゴールの父親は、大商人になる前は貧しい生活を送っていた。そんなとき神を呪うのだが、そのことでずっと罰を与えらていると思ってる。
キルケゴールが敬虔な信仰者になれば罰が許されると思い、キルケゴールに英才教育をほどこす。その内容は、「優秀であれ。けれども目立つな。1番になるな。3番でいろ」というもの。
一生懸命がんばった結果3番なら納得できるが、はじめから3番を狙って勉強するなんておもしろくない。モチベーションがわかないだろう・・・。
しかし、キルケゴールがその言いつけを守ったようだ。また、子供のころから論理的な会話を求められたようだ。その結果、頭脳明晰だ目立たないため「小さな老人」と呼ばれる。
だがある日、父親はキルケゴールに「もう勉強しなくていいぞ」と言う。今まで価値観押し付けてきておいての発言だったので、キルケゴールもキレて今までとは真逆の退廃的な生活を送るようになる。
キルケゴール自身も変
上記のような父親に育てられたせいかキルケゴール自身も変わっている。レギーネという婚約者がいたのだが婚約を一方的に破棄する。
別にレギーネのことが好きではなくなったというわけではない。レギーネが他の人と結婚した後もレギーネに手紙を送っていたくらいだ。一説によると哲学に身をささげるために婚約を破棄したらしい。
実際、キルケゴールは自分の考えを主張するために、ゴシップ紙や教会にケンカを売るようなことを書いて世間から非難を浴びた。子供のころは、「小さな老人」とよばれるほど、賢いけれども目立たないようにしていた。その反動だろうか、どんな目に遭おうとも、自分の主張を世に問うという信念を感じる。