功利主義
人間の行いの『善悪(良いことなのか、悪いことなのか)』は、その行いが快楽(幸福)をもたらすかどうがで決まる。このような考え方を功利主義と言います。
功利主義を唱えたのは、2人のイギリス人、ベンサムとジョン=スチュアート=ミルです。
量的功利主義
質的功利主義
ミルは、ベンサムの「量的功利主義(肉体的快楽の量を増やすこと)」を批判しました。たとえば、酒をたくさん飲むこが挙げられます。
かわりに「質的功利主義(精神的快楽を追求すること)」を唱えます。たとえば、勉強して知識を得るなどです。
そして、次の名言を残しています。
この名言の「不満足なソクラテスであるほうがよい」という部分は、精神的な成長や知的探求の過程が永遠に続くことを示唆しており、それには興味深い側面があります。精神的な快楽には終わりがなく、常に新しい問いや挑戦が生まれるため、完全な満足に到達することは難しい。むしろ、その不満足こそが人間を前進させ、深い充足感を得るための原動力となるのかもしれません。
アスリートやアーティストを例に挙げると、彼らは一度最高の成果を出したとしても、その瞬間に満足するのではなく、さらに上を目指し続けます。彼らは次の挑戦へと駆り立てられ、結果的に永遠に満足を得られないように思えます。しかし、この「満足しない」状態こそが、彼らの生き方を豊かにし、人生の意味を深めるものともいえるでしょう。つまり、永遠に続く探求や挑戦そのものが、人生の核心であり、価値なのかもしれません。
「不満足なソクラテス」とは、まさにそのような生き方を象徴しており、単なる快楽や満足よりも、自己を高め続けることに重きを置く人生の意義を示しているように感じます。