【読書メモ】忍びの国

どんな話?

戦国時代の「天正伊賀の乱」が起こるまでのプロセスを3者の視点から描いている。

主人公 無門

伊賀一の忍び。はじめは参戦する気なし。なぜなら報酬が得られないから。
無問だけでなく伊賀の多くの忍びも同じ理由ではじめは参戦しないで逃げる。
しかし、女房のお国に言われてやっぱり戦うことに。その際、ある方法で他の
逃げている忍びも巻き込む。無問の発言を聞いて忍びたちは我先にと戦場へ急ぐ。
この戦をきっかけに、人でなしの伊賀者の1人である無問の心境に変化が。

12評定衆

伊賀の忍びを取りまとめる者たち。
織田軍を挑発してわざと伊賀に攻め込ませる。理由は、織田軍を撃退できれば
他国から忍び仕事がまいこむから。

織田軍

柘植

もともとは伊賀の出身だが、伊賀者のひとでなしっぷりに嫌気がさし織田軍に身を置く。
伊賀に復讐すべく伊賀攻めをそそのかす。

信雄

武功を挙げて父である信長に認められるため伊賀を攻める。

見どころ

人でなしの伊賀者だが殺伐としていない

戦国時代というと、人でなしが多い時代だと思う。本作に登場する伊賀者は、それに
輪をかけて人でなしだ。

伊賀の国は1人の大名が治めているのではなく、いくつもの地侍が派閥争いをしている。
さっきまで争っていたにもかかわらず、休戦の合図が出たら何事もなかったように会話している。
死と隣り合わせの日常だが殺伐とした雰囲気はなにので、読んでいて陰鬱な気分にならない。

豆知識がおもしろい

忍び装束や忍術について説明がある。それが興味深い。「○○にはこう書いてある」という具合に
出典を載せているのでそちらも読んでみたい。

映画もおすすめ

映画を先に見ておもしろかったから小説も読んだ。
小説には、映画に出ていない人物も出てくる。小説のキーパーソンである柘植は、映画だと下山に
役割が統一されている。
しかし、物語の世界観は小説からズレていない。また、忍びの大群が織田軍におそいかかるシーンは圧巻。

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