氷河地形とは、氷河の侵食・運搬・堆積作用によってつくられた地形のことです。
現在も氷河が存在する地域(グリーンランドや南極など)だけでなく、過去の氷期に形成された地形も含まれます。
河川がつくる地形と比べると、「広く・深く・力強く削る」のが大きな特徴です。
氷河地形のでき方

氷河は単なる氷のかたまりではありません。重みでゆっくりと流れています。
その流動によって:
① 侵食作用(削る)
岩盤を広く削り取る
→ U字谷・カールなどが形成される
② 運搬作用(運ぶ)
岩石や土砂を氷の中に取り込む
→ モレーンの材料になる
③ 堆積作用(積もらせる)
運ばれた土砂が氷河の末端で堆積
→ 堆石堤(モレーン)形成
河川は「線」で削りますが、氷河は「面」で削るため、谷が幅広くなるのです。
氷河地形の主な種類

① U字谷
氷河が谷全体を削ってできた谷。
断面がアルファベットのUの形になります。
河川地形のV字谷との違いは非常に重要です。
② フィヨルド
U字谷が海面上昇によって沈水した地形。
特に有名なのがルウェー のフィヨルドです。
入り江が深く、岸壁が急なのが特徴です。
③ カール(圏谷)
山の上部にできるおわん型のくぼ地。
日本では立山のカールが有名です。
④ モレーン(堆石堤)
氷河が運んだ土砂が堆積してできた地形。
氷河の末端や側面に形成されます。
⑤ ホルン
複数のカールが削り合ってできる鋭い山頂。
代表例はマッターホルン。
氷河地形はどこに分布する?

現在氷河が見られるのは
- グリーンランド
- 南極大陸
- 高緯度地域
- 高山地帯(アルプス・ヒマラヤなど)
この他の地域でも、現在氷河がない地域にも痕跡があります。
これは更新世の氷期に形成されたためです。
氷期と間氷期との関係
地球は約260万年前から氷期と間氷期を繰り返しています。
氷期:
- 氷河が拡大
- 氷河地形が形成
間氷期:
- 氷河が後退
- フィヨルドなどが出現
現在は間氷期にあたります。
河川地形との違い(重要比較)
| 比較項目 | 河川地形 | 氷河地形 |
|---|---|---|
| 侵食の形 | V字谷 | U字谷 |
| 侵食方法 | 流水 | 氷の流動 |
| 削り方 | 線的 | 面的 |
まとめ
氷河地形は
- 侵食・運搬・堆積作用によって形成
- 代表例はU字谷・フィヨルド・カール・モレーン・ホルン
- 氷期に形成され、現在も痕跡が残る
自然地理の中でも頻出分野なので、各地形を個別に理解することが重要です。
